適応的創造
世界中でワールドカップに熱狂しています。テレビやネットでは驚異的なシュートや激しいタックルが連日報じられていますが、選手がボールに触っているのは数分であとは周囲の状況に応じて自分のポジションをすばやく変化させる適応能力が勝負を決めているのです。
ホルミシスは単に「低線量刺激による有益な作用」ということではありません。外部環境に対する適応応答能力なのです。生命とは、変化する環境に適応し続けるシステムであり、ホルミシスとは、その適応応答能力を鍛える原理なのです。その意味ではサッカー選手の日々の練習もホルミシスなのです。
しかし、適応応答とは単に環境に合わせることではありません。適応を繰り返すことで、生物は新しい機能、新しい構造、新しい行動様式を獲得してきました。40億年かけて出来てきたものは実に多様で特徴的で独創的に富むものばかりです。
「創造」とは、無から何かを生み出すことではないと思います。環境への適応を繰り返した結果として、新しい形態や新しい思考が創発することなのです。「適応的創造(Adaptive Creativity)」なのです。
この考え方は、放射線ホルミシスだけでなく、 生物進化、運動によるトレーニング、研究活動、さらには社会組織などにも一般化できます。AIも環境との相互作用を通じて応答を変化させるシステムであり、この意味では「適応的創造性」を示していると考えることができます。ホルミシスは普遍的な進化の原理ではないかと考えられるのです。
ホルミシスとは、「生命」が自らの適応能力を鍛え続ける仕組みであり、その積み重ねが創造性を生み、生命の進化を導いてきたのではないかと考えています。
(JM)
