ACA

アンビエント・ケア・アカデミー (Ambient Care Academy: ACA)


アンビエント・ケア・アカデミー (Ambient Care Academy: ACA) は外部環境に適応し、自然と融合共存しながら自己の自律調節機能を効果的に利用して健全な心身を維持するための方法を考えていくアカデミアです。ここでは環境刺激の中でもスイームが注目する放射線とそのホルミシス効果について解説します。

ご意見やご質問があれば問い合わせページからお知らせください。

放射線の物理

1. 放射線とは

目には見えませんが私たちは常にさまざまな放射線にさらされています。放射線 (Radiation)とは一言で言えば高速で飛ぶ粒子あるいは高エネルギーの電磁波です。粒子のものを粒子放射線、電磁波のものを電磁放射線といいます。主としてアルファ線、ベータ線、ガンマ線があります。

アルファ線はヘリウムの原子核、つまり2個の中性子と2個の陽子からなる粒子です。中性子は電気的には中性の粒子で、陽子は+1の電荷をもちます。ですから陽子を2つ持つアルファ線は+2の電荷をもちます。それぞれの粒子は電子の1,860倍の重さがありますから、アルファ線は電子の7,300倍の重さ (6.7×10-27 kg) です。速度はエネルギーによりますが概ね光の速度、秒速3×108mの1/20程度、秒速1.5×107mです。

ベータ線は電子です。電子は素粒子の一つです。重さは9×10-31kgで-1の電荷をもちます。正の電荷をもつ電子に対応する粒子は陽電子と呼ばれます。速度はエネルギーによりますが概ね光の速度と同じ程度ですが、もちろん光の速度はこえることができません。物質のスピードが速くなると質量は増えますから速度の計算にはアインシュタインの相対性理論による補正をする必要があります。

ガンマ線は光子です。光子を波動としてとらえるなら電磁波です。光子も素粒子で質量はありません。可視光や電波も電磁波であり光子ですが、その中でも他の原子と衝突した時電子を弾き飛ばし、イオンにすることができるものを電離放射線 (Ionizing Radiation: IR) と呼びます。波長が100nm以下のものがこれに相当します。

原子核は陽子と中性子の塊です。その直径は概ね10-15mほどです。大きな原子核、例えばラドン(222Rn:原子量222)の原子核は1.06×10-14m、ヘリウムの原子核つまりアルファ線の大きさは2.8×10-15mです。原子核の周りには電子が広がっています。電子の分布は確率分布ですので位置を特定することはできません。その広がり、つまり原子の大きさは概ね10-10mです。

つまり原子核が直径1cmのビー玉だとするとその周囲の電子数個はその105倍の広さ、直径1kmの空間に広がっています。原子核の密度に比べれば原子とその集まりである分子はかなりスカスカであることがわかります。ちなみにウィルスの大きさは10-7m(0.1μm)、細菌は10-6m(1μm)、ヒトの細胞は10-5m(10μm)程度です。分子の大きさの10万倍もあります。偉そうな顔をして歩いていますが、我々はスカスカのスカスカの存在なのです。

2. 放射線の減衰

放射線は物質と相互作用することにより徐々にそのエネルギーを失います。ガンマ線やエックス線などの電磁放射線は光電効果やコンプトン散乱で電子をはじき飛ばして分子をイオン化しながらその密度が低下していきます。

ベータ線やアルファ線は質量と電荷があるのでより多くの相互作用をしてエネルギーを失っていきます。単位飛距離あたりのエネルギーの喪失量を線エネルギー付与 (linear energy transfer: LET)といいます。-1価の電荷をもつベータ線ではそのエネルギーの喪失量が少ないので低LET放射線、アルファ線は質量が電子の7,300倍もあり、+2価の荷電をもち、周囲の電子を大量にはじき飛ばしながら進みますから高LET放射線に分類されます。

ガンマ線やベータ線ではそのエネルギーの失い方は概ね飛距離に比例します。微分方程式を使うと次のように表します。

dE/dx=-kE

xは距離、Eは放射線のエネルギーです。微分方程式というと難しそうですが、ふつうの方程式よりは次数がへるのでより簡単な数式になります。パソコンを使えばどのような形になるかは簡単にグラフに描くことができます。

例えば1cm進むごとに10%づつエネルギーがなくなるとします。するとのこりのエネルギーは90%になります。最初にエネルギーが1万ジュール(J)あったとすると、1cm進むと10,000×0.9=9,000Jになり、さらに1cm進むと9,000×0.9=8,100Jという具合に減ってきます。

エクセルのA列に距離を記入します。最初の行は0です。次は1, 次は2・・・ですが、いちいち記入するのは面倒なので2行目以降は自動的に一つ増えるように計算させます。B列にはエネルギー量を書きます。最初は10,000、次の行は10,000×0.9、次は前の行にまた0.9をかける。いちいち記入するのは面倒なので自動的に0.9をかけるように計算させます。あとは第2行をコピーして3行目以後にペーストしていけばいいのです。

できた表をグラフにすると右のグラフが描けます。この微分方程式を解くと、dE/dx=kE、すなわちdE/E=-kdxの積分になりlnE=kx+C、両辺をe乗してE=N0ekx。N0は初期値で10,000, kは減衰係数でln0.9=-0.105です。lnというのは自然対数、eはネイピア数という無理数で2.718・・・。この理論値とさきほどの足し算とかけ算で作ったグラフはほぼ一致します。要するに微分方程式などという仰々しい名前がついていますが、ただの足し算とかけ算ですから小学生の算数で解けるのです。

E=N0ekx のような関数を指数関数といいます。指数関数は放射線を議論する上で最も重要な基本的な関数です。ガンマ線やベータ線の減衰はほぼ指数関数に従います。これに対してアルファ線はほとんど散乱されずにまっすぐ進みます。電子とぶつかってもその質量が7,300倍もありますからほとんど散乱されないのです。7kgのボーリングの球が直径1cmのビー玉にぶつかっているようなイメージです。まっすぐ進み周囲の電子を大量にはじき飛ばすことでエネルギーを急速に失い止まります。

スピードが遅くなるとエネルギー付与率も大きくなります。雨の中を走って進むのと、歩いて進むのでは歩いて進む方がたくさん濡れるのと同じ原理です。このピークをブラッグピークといいます。ですからガンマ線やベータ線が線源に近い部分が最も影響が大きいのに対して、アルファ線では止まる間際の部分で最も影響力が大きくなるという特徴があり、この性質が重粒子治療などの高LET放射線を使った治療で利用されています。

このようにして放射線は飛んで行く過程でエネルギー、すなわちスピードを失います。ほぼ普通の速度になる距離を飛程とよびます。弱い相互作用しかしないガンマ線は物質を透過し長い距離を飛んで行きます。生体成分、つまり水の中では数10cmから数m程度飛びます。ですからエックス線は身体の中を突き抜けて反対側にある写真乾板まで届いて身体の内部構造を描き出す訳です。ベータ線はガンマ線よりもつよい相互作用がありますから、エネルギーレベルにもよりますが、水中では1cmほどしか飛びません。アルファ線になると大量の電子をとばしてエネルギーを急速に失います。水中の飛程は0.1mm以下です。

スピードを失ったベータ線はただの電子、アルファ線はただのヘリウム、どこにでも存在する物質です。ですから化学物質と異なり放射線は残留しません。ジャガイモの発芽を抑えるために放射線をあてると放射線がジャガイモに残留して危険だという話をしばしば聞きますが、これは放射線が単なるエネルギーの流れであることを理解していないことに起因する誤解です。


「放射線は距離の2乗に比例して減衰する」は被曝防護の基本原則ですが、正確に言うと誤りです。点線源では放射線の束(フルエンス:F)は周りの空間に広がって行きます。同じフルエンスが球の表面積4πr2に広がるから距離(r)の密度 (粒子束密度)は2乗に比例して小さくなります。しかし、面線源ではフルエンスは距離によらず一定です。この場合にはむしろエネルギー消失による減衰が主となるので指数関数的に減衰するわけです。お肌にクリームを塗った場合には面線源となります。


放射線の影響は、放射能の強さだけではなく、放射線の種類、飛程、線源の形(点線源か面線源か)によって大きく変わります。アンビエントケアではこの違いを利用して、極めて弱い線量を皮膚表面に作用させながら、アルファ線による強力なホルミシス効果をあげているのです。

3. NORMと永続平衡

RH1400クリームに含まれる放射性物質は人工物ではありません。地球にもともと存在している天然物です。こういう放射性物質を自然起源放射性物質(Naturally Occurring Radioactive Materials: NORM)といいます。人工物でないので歴史的に管理の対象とされていなかったのですが、近年、国際的に規制当局は管理を厳しくする方向に動き出しています。

RH1400が含むNORMは元々宇宙からきたものです。134億年前のビックバンにより生成した物質はやがて凝集し巨大恒星となり、重力により中心部では高温圧力になり、大きな原子核を持つ元素が恒星内部に生成します。この巨大恒星はやがて自らの圧力に耐えかねて超新星爆発しますが、そのときでてきたチリは再び凝集し、大小様々な星となります。

地球も例外ではなく中心にウラン (U) やトリウム (Th) などの高原子量の巨大元素を大量に包含しています。これらの元素は比較的不安定で徐々にアルファ線やベータ線を出しながら崩壊して行きます。不安定といっても半分になる時間、半減期、は238Uで45億年、232Thで140億年、235Uで7億年です。左肩の小さな数字は原子量です。宇宙が生まれてから134億年、地球ができてから46億年ですから地球に存在していたトリウムは半分にもなっていません。

アルファ線がでてくる崩壊をアルファ崩壊とよびます。アルファ線は中性子が2個、陽子が2個のヘリウムの原子核ですから、アルファ崩壊が起きると原子番号が2つ、原子量が4つ減ります。原子番号は陽子の数、原子量は中性子と陽子の合計です。原子量238のウランは陽子が92個、中性子が146個の原子核ですから、アルファ崩壊を起こすと原子番号90、原子量234のトリウムになります。

ベータ崩壊は中性子が構造変換を起こして電子とニュートリノがでてくる崩壊です。中性子が陽子に変換されるだけですから原子量は同じですが、陽子が1つ増えるので原子番号は1つ大きくなります。原子番号90、原子量234のトリウムがベータ崩壊をおこすと原子番号91、原子量234のプロトアクチニウム(Pa)になりますが、これは不安定で半減期6.7時間で再びベータ崩壊を起こして再び原子番号92のウランに戻りますが、このウランはさきほどのウランとは異なり原子量は234です。原子番号がその元素の性質を決めるので名前は同じウランですが原子量が異なるのでこれをウランの同位体 (アイソトープ)とよびます。

このようにして巨大元素は崩壊を繰り返して最終的には安定な原子番号82の鉛 (Pb) になります。原子量はアルファ崩壊をおこすことで4つずつ減りますが、ベータ崩壊を起こしても減りません。従って、原子量238のウランから生じる元素は原子量が4つずつ減る4n+2の系列を作ります。238Uはn=59、最終産物の206Pbはn=41です。同様に232Thの崩壊によってできる元素は4n、235Uの崩壊によってできる元素は4n+1の原子量をもちます。238U、232Th、235Uからできる元素の系列をそれぞれ、ウラン系列、トリウム系列、アクチニウム系列とよびます。理論的には4n+3の系列もあるはずですが自然界には存在しません。これらの各元素からでてくる放射線を合計すると、RH1400クリーム1gからはアルファ線が92個、ベータ線が61個、ガンマ線が23個でてくる計算になります。

元素は崩壊を起こすことで安定化しますからそのエネルギーはでてくる粒子の運動エネルギーや電磁波、ガンマ線、に変換され、残りは崩壊熱となって放出されます。地球の内部は高温となっていますがこの熱エネルギーの大部分はNORMの崩壊熱に由来すると考えられています。この安定化エネルギーはそれぞれの元素によって決まっていますからでてくる粒子のエネルギーも決まっています。238Uのアルファ線のエネルギーは4.2MeVです。アルファ線のエネルギーは核種ごとに決まっていますが、ベータ線の場合は電子とニュートリノが崩壊エネルギーを分け合うため、エネルギーは一定ではなく連続分布になります。図に示した値はベータ線の最大エネルギーであり、平均エネルギーは一般にその1/3程度になります。

eV(エレクトンボルト) は電子1つが1ボルトの電場を動くときに生じるエネルギーで1.6×10-19J (ジュール)です。1Jは地球で102gのものを1m持ち上げるのに必要なエネルギーで0.239カロリーです。カロリーは1gの水を1℃あげるのに必要なエネルギーです。アルファ線の飛程が40μmとすると、238Uの4.2MeVのアルファ線が半径5μmの細胞に当たると細胞の温度は1/1,0000℃だけ上がります。細胞にとっては致死線量ですが細胞は焼け死ぬわけではないことがわかります。

RH1400クリーム1gには238Uが4.8Bq、232Thが10.4Bq、235Uが1.2Bq含まれます。Bq (ベクレル)というのは放射線の量を表す単位で、1秒の平均崩壊数を表します。放射線を出す能力だから放射能と一般にはよんでいますが、これは誤解を招く訳だと思います。英語ではradioactivityです。activityは普通「活性」と訳しますから放射活性と訳すべきです。放射能というと物質を「放射化」する能力、のような誤解を生むし、歴史的には放射能汚染だとか放射能被ばくとか負のイメージがあります。スイームにとって放射線は利益をもたらす友人ですから悪者ではありません。ここでは放射活性と訳します。

ベクレルは原子数を表す単位ではなく崩壊速度を表す単位です。なぜこれで量をあらわすかというと、放射線の崩壊速度D(Bq: dN/dt)は放射線の量(N)に比例するからです。D=dN/dt=kN,すなわち、N=D/kとなります。kは速度定数です。この微分方程式を解くとさきほどのガンマ線の飛程と同様にN=N0ektとなります。N0は最初にあった放射性物質の数です。これは半減期をτとすると、N=N0(1/2)t/τとも書き表せます。N= N0ekt­= N0(1/2)t/τ N0ekt­= N0(1/2)t/τ、ekt­= (1/2)t/τ、kt=t/τln(1/2)、k=ln(2)/τ。速度定数kとτはこのような関係があります。238Uの半減期は4.5×109年ですからk=ln(2)/(4.5×109)=1.5×10-10つまり、1年間で65億分の1だけ減るということになります。

ホルミシスクリームは1回買えば、煮ても焼いても腐っても100年後にもほとんど変わらない活性をもつことがわかるでしょう。ここで試算した数学は小学生の領域をこえているので理解する必要はありませんが、原子数Nと放射活性Dの関係式は記憶しておく必要があります。というのは永続平衡という性質を理解するために必要だからです。

永続平衡というのは、同じ系列に属する元素は長時間閉鎖系においておくと全て同じ放射活性をもつという性質です。つまり、238Uが4.3Bq存在するならば、234Thも226Raも218Poも全て同じ量(Bq)存在するということです。なぜか?238Uが234Thになりこれが234Paになる過程を考えてみましょう。234Thは24日で半分になるので1年もすればなくなりそうですが実はそうではありません。238Uが常に1秒に4.3個の234Thを供給しているからです。234Thは供給される一方、崩壊してなくなります。これを微分方程式であらわすと、dN/dt=A-kNとなります。Aは238Uからの供給量。kは速度定数です。平衡状態では増えも減りもしないのでdN/dt=0、つまりA=kNe、Ne=A/kです。Neは平衡状態での234Thの数です。Neは原子数ですから単位をBqにする必要があります。平衡状態での放射活性をDeとすると、dN/dt=De=kNe (Bq)、ですから、Ne=De/kBqです。Ne=A/kですからDe/k=A/k、De=Aとなります。つまり平衡状態での234Thの放射活性は238Uの放射活性と同じになります。

もちろん原子数は異なります。D=dN/dt=kN、N=D/k=Dτ/ln(2)ですから放射活性が同じなら原子数Nは半減期に比例します。234Thの半減期は24日、238Uの半減期は4.5×109x365=1.6×1012日ですから、238Uは234Thの680億倍の分子数が存在することになります。放射線の量を原子数ではなく放射活性で表すと頭が混乱するのですが、放射平衡を考える上では便利なのです。

ごちゃごちゃいいましたが、結論は単純で、永続平衡に達しているRH1400クリームの中のそれぞれの系列の核種の放射活性は皆同じということです。半減期の最も長い238Uが律速段階になり、後続の崩壊はそれ以上速く崩壊することができないのです。先頭に遅い車がいると後続の車は数珠つなぎになり、のろのろ進むことになるのと同じ原理です。

NORMはウランやトリウムだけではありません。3H(トリチウム)や14CもNORMの1つです。原発でできる3Hは分類上NORMではありませんが、人工物であろうが自然のものだろうが3Hの物理学的性質は同じです。地球に存在する3Hや14Cはほとんどが天然由来ですが、ウランと違って地球ができたときからあるのではありません。3Hは空気中の窒素や酸素に宇宙線の中性子や陽子があたってできます。半減期12.3年で18.6keVのベータ線を出して崩壊し3He (ヘリウム)になります。14Cは成層圏で窒素原子に中性子が吸収されることで生成します。半減期5,730年で156keVのベータ線をだして崩壊します。

3Hの生成量は年間7.2×1016Bqです。3Hの半減期は12.3年ですから、速度係数k=ln(2)/τ=0.056/年で減っていきます。すると、先ほどと全く同じ式、dN/dt=A-kNという微分方程式が成立し、平衡状態ではNe=A/p=7.2×1016/0.056=1.3x 1018Bqの3Hが存在することになります。これまでの核実験によって生成した分や世界中の原発から出て来るもの(2×1016Bq/年)もあるので現在地球に存在する3Hはおよそ2.3×1019Bqと推定されます。

福島の原発事故で出てくる処理水に含まれる3H (4.5×1012Bq/年:2024年)は、大気での生成量7.2×1016Bqに対して1/16,000、全世界の原発の放出量に対する割合は1/4,400で、放出によって環境中の濃度は1/2,220,000あがることになります。人体は10%が水素です。水素の10-183Hですから60kgの人なら6×10-18kgが3Hです。数にして12億個、2Bqです。毎秒、体内で2回程度3Hが崩壊し、2つのβ線で被ばくしていることになります。実効線量は年間1nSvで、規制値の100万分の1です。

生体成分の中で最も重要なNORMは40Kです。40Kは半減期が12億年と長いので地球ができた時にあったものがまだ1/12ほど残っており、天然カリウムの0.01%にもなります。40Kは90%ほどが1,311keVのβ線を出し実効線量は年間0.2mSvにもなります。40Kは体内で毎秒3,000個のベータ線を発生し、75万個の細胞がベータ線による被ばくをしていることになります。この被ばくによるホルミシス効果が生体のホメオスタシスの維持に大きく貢献している可能性を指摘する研究者もいます。

放射線ホルミシスとは

これまで放射線はすべて危険だと言われてきましたが、最近の研究は低線量の放射線は無害なばかりか、体にさまざまな健康効果をもたらしてくれることを示しています。低線量の放射線は、ヒトの体が持つ生命力に適度な刺激を与えて、免疫力や代謝力を活性化してくれます。日本人は太古の昔からこのことを理解し利用してきました。玉川温泉や三朝温泉をはじめとする日本の放射線温泉の湯治効果も低線量放射線の持つホルミシス効果と考えられます。

「ホルミシス(Hormesis)」とは、ある物質を大量に用いると有害であるのに、微量ならば逆にその刺激効果が有益な作用を及ぼす現象を示す言葉です。

米国ミズーリ大学の生命科学者ラッキー教授が発表した1980年に提出した理論は、世界の放射線や原子力の関係者を驚かせました。その内容は「少しの放射線は、免疫機能の向上など、身体組織の活性化をもたらし、生殖能力を増し、老化を抑えて寿命を延ばすなど、あらゆる面でバイオポジティブな効果を生じる」というものでした。教授は、低線量の放射線が生物学的にもたらす良い効果を「放射線ホルミシス」と呼びました。

これを受けて、日本でも各大学や様々な研究機関、専門家がこれまでに多くの研究や検証、データが発表しています。わが国は、古くから全国各地にある温泉からの医学的効果を知っている民族です。ラジウムやラドン(トロン)などの温泉は放射線の恩恵を受ける温泉です。秋田県玉川温泉、鳥取県三朝温泉などが有名で、台湾では北投温泉、オーストリアのバドガシユタインが知られています。低レベル放射線ホルミシス効果の研究は、現在まで多くの効果が発表され、医学界でも注目されています。

ここでは、放射線ホルミシスについての正しい情報をご紹介していきます。


お肌のホルミシス

従来の方法は、ラジウム温泉などの蒸気やお湯を吸ったり飲んだりして体内に取り込む方法や放射線を発生する装置やグッツから出る放射線を直接浴びる方法などが主でした。最近この二つの方法以外にも、もうひとつの方法があることがわかりました。お肌のホルミシスです。

放射線は主として、アルファ線・ベータ線・ガンマ線です。アルファ線はお肌への浸透力が弱いですが、岩盤など自然物からでる放射線の半分以上はアルファ線で、しかも細胞に対する効果はベータ線の千倍・ガンマ線の3万倍ぐらい強く刺激効果は抜群です。また、ガンマ線は浸透力が体を突き抜けるほど強いけど、効果は散発的でお肌への影響は限定的です。ベータ線のエネルギーと浸透力はアルファ線とガンマ線のちょうど中間くらいで、お肌につけると表面の角層を通り抜けてその下の「表皮」やその下の「真皮」まで達します。アルファ線とベータ線は皮膚の中の「免疫細胞」やお肌をつくる「角化細胞」や「繊維芽細胞」などに刺激を与えて、細胞の免疫力や代謝力を活性化してくれます。


ホルミシスの美肌効果

お肌の一番表面の表皮は外界との境目としてさまざまな外敵から体を守るバリヤーの役目があります。表皮を形成しているのが「角化細胞」という細胞です。角化細胞は表皮の最下層にある皮膚幹細胞から発生し、成長につれて上の細胞を押し上げて皮膚の表面へと上昇し、最後は死んで角層を形成し、皮膚表面から垢としてはがれ落ちていきます。肌はこうして約4週間周期で新しい細胞と入れ替わることで、みずみずしさを保っています。

表皮の下にある「真皮」は表皮を支える「コラーゲン」や「エラスチン」などからなっています。このコラーゲンやエラスチンが劣化すると、肌の張りや弾力が失われ、シワやタルミができ、みずみずしさを失ってしまうのです。真皮を形成する「繊維芽細胞」はコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出し、肌の若々しさに重要な役目を担っている細胞です。また、繊維芽細胞は皮膚に傷がついたり炎症が起こったりすると傷口を修復するヒーリング面でも重要な役割を担っています。

肌を衰えさせてしまう最大の原因が「活性酸素」です。活性酸素は物質を錆びさせる「酸化力」が非常に強く、肌を支える「コラーゲン」や「エラスチン」をぼろぼろにして、シワやタルミを引き起こしてしまいます。放射線は細胞内の「活性酸素キラー」(SOD・GPX)を飛躍的に増加させ肌を衰えさせる「活性酸素」の酸化力を中和してくれます。

細胞が若返ると、栄養や老廃物が細胞膜をスムーズに通過できるようになって、皮膚細胞の活動が活発化します。コラーゲンや新しい細胞を作る力が増して肌はつやと張りを取り戻し、メラニン色素を取り除く代謝力が向上してシミを改善したりすることができるのです。


ホルミシスの全身効果

人間の体は全体が相互に関係しあって活動しています。例えばひとつの細胞が感じた刺激は、体内の通信システムである「細胞間情報伝達」によって隣の細胞に伝わり、さらにその隣の細胞へと、刺激が次々に広がって行きます。皮膚は発生学的には神経と同じ起源をもっており、皮膚への刺激は神経系にひろがります。皮膚からでるNO、TGFβ、エンドルフィンといった生理活性物質は血流にのり全身に広がります。このようにしてアルファ線やベータ線が一部の皮膚に与えた刺激は周囲の皮膚へ、さらに全身の器官へと伝わっていきます。皮膚に刺激を与えただけでも、体中の細胞が刺激され全身的な効果も得られるのです。


ホルミシスの安全性

地球の大地、空、大気などからは相当量の放射線が放射されていて、日夜それらを浴びながら生活しています。毎日食べる食物にも多く放射性物質が含まれていて、そこからでる放射線を浴びています。これらの放射線量をすべて加えると、1人当たり年平均2.4ミリシーベルトの放射線を浴びています。放射線の安全を定める世界的機関「国際放射線防護委員会」(ICPR)では1人当たり年間被ばく量の許容限度を「1ミリシーベルト(自然放射線と医療目的を除く)」に定めています。

RHクリームは一年中毎日使用してもこの基準よりはるかに低い被ばく線量にしかなりませんが、絶大なホルミシス効果は享受できるように工夫してあります。これもアルファ線とベータ線を効率よく利用しているからなのです。